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2011.01.10    カテゴリ:  鉄道 

   リニア新幹線 南アルプスにトンネルを掘れるのか?

JR東海はリニア中央新幹線用に南アルプスにトンネルを掘る事を決めたが、
果たして本当に掘れるのか、私なりにチェックしてみた。

まだ、トンネル位置の公式発表はないが、調査のための水平ボーリング位置など
から、下図のように推定した。

(図の X印がボーリング位置、赤線部がトンネル、青線部が地上)

 トンネルの長さは約50km、簡単に言うと富士川・身延付近から、
天竜川・飯田市付近まで全部トンネルという感じ。 

 途中、ボーリングを掘った付近で 地上に顔を出すかと思ったが、
身延の標高が260m、飯田の標高が400mぐらいで、リニアの最大許容勾配が、
40‰(単位:パーミル・・・水平距離1000mにつき40m登る意)
だから、どちらの地点も地上に顔を出すか、出さないかギリギリの所にある。

 ただ、最大許容勾配を何十キロも続ける事は、通常の設計では考えられず、
多少の余裕を見るのが ふつうなので、勾配は30~35‰と思われる。

 すると、地上には全く顔を出さない。

 ただし、この場合は、南アルプス直下でも、標高1300mあたりが最高地点
になる。 南アルプス尾根は、どんなにルートを選んでも2600m以下の場所が
なく、トンネル上部には最高で1300~1600mの山塊がのし掛かる。
(これを土木用語で「土かぶり」という)

 現在、日本で掘られたトンネルの内、土かぶりがもっと深かったのは、
大清水トンネルや恵那山トンネルの約1100m。

 南アルプストンネルは今まで経験したことが無い深さになる。 また、長さも
青函トンネルの54kmに近く、山岳トンネルでは、現在最長の八甲田トンネルの
26kmを大きく上回る。

 さて、このトンネル工事で懸念されている事は以下の6点

 1.自然環境への影響
 2.大断層帯での地震
 3.落石や崩落
 4・経験したことのない地圧(土かぶり)
 5.災害時の避難
 6.ずり(残土)処理

 なお、大前提として、南アルプスには 火山はない。
当然の事だが、火山の真ん中にトンネルは掘れない。(^^)

 さて、上記については、地上に顔を出さなければ、考えられる影響は
地下水ぐらい。 確かに地下水脈の状態が変わると、地上にも影響する
可能性はあるが、南アルプスの場合、上越方面などと比べれば、雪の量は
ずっと少なく、大清水トンネルほどの湧き水は出ないのでは ないかと
予想される。 

 ただ、これは掘って見ないとなかなか判らない。

 恐らく、地質調査の為、先進導杭か先進水平ボーリングをすると思われるので、
その時点で、問題点の把握と対策を考案するでしょう。 

 まあ、湧水対策については、丹那トンネル以来、大変な量のノウハウが
蓄積されており、最近の長大トンネルで大きな問題になった事はない。

 まあ、ここは信用して良いでしょう。

 の断層での地震だが、このトンネルが横切る断層部分(中央構造線等)には
「活断層」が全く見つかっていない。

(天竜川の西側の飯田線沿い及び南アルプスの北側の中央本線沿い には
 活断層が有るが、南アルプス中央の山塊部分は、褶曲による盛り上がり部分に
 当たるせいか、活断層が無い。)

 よって、活断層を横切った丹那トンネルのように、地震によって
2.7mもずれるようなことは無いと考えて良いでしょう。

 の落石については、実はこれが一番心配されていることだが、地上に顔を
出しそうもないことから、心配は無用だろう。

 はチャレンジ部分。 大清水トンネルで大規模な「岩はね」があり、かなり危険な
思いをしたようだが、スイスで昨年10月に延長57km、土かぶり2300mの
ゴッタルドベーストンネルが 貫通したしたので、土かぶりが たかだか
1300~1600mのトンネルで音を上げるわけには ゆかないでしょう。

 は不明。 トンネルの構造がどうなるか、計画がハッキリした時点で再確認。
一番よいのは、避難路を兼ねた先進導杭を掘ること。 
 上下2階建てにして、下部を避難路にする方法もある。

 は地上に頭を出さねば、山中に捨てられる可能性はない。 
いずれにせよ、JR東海に「ずり」を山中に捨てるなとに言えば済むはなし。

 <結論>
 このトンネルは勾配の設計上、途中で地上に顔を出す可能性は低い。
 また、活断層も軟弱地層もないので、案外あっさりと掘れる可能性が高い。

 スイスに大幅に抜かれた地位を挽回し、「トンネル日本」
印象づける為にも ここは譲れない(絶対に成功させる)所でしょう。(^^)




<参考>

 なお、地質についての課題は下記の河本和朗氏の論説が詳しい。

「リニア新幹線の南アルプスルートは安全か」 ケンプラッツ 2009/07/14
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/knp/column/20090701/533704/?P=1

 ただし、文中に南アルプスの隆起が年間3~4mm有るかのように書かれて
いるが、国土地理院が発表した最近10年間(2000-2010年)のデータを
見ると大鹿村での隆起は10年間で3mmに止まる。

 例えば丹那トンネルのある箱根は22mm隆起しており、それに比べ遙かに小さい。
河本氏は古いデータに基づいての発言のようだ。 最近のデータの方が精度が
高いのは言うまでも無い。


南アルプストンネル
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2010.12.27    カテゴリ:  鉄道 

   リニア新幹線の振動・騒音

 1997年の山梨日々新聞の記事によると、リニア実験線の
近くの住人から 下記のような苦情が出たそうな。

 以下、引用。

『 時速四百一キロを達成した九月三十日前後。 高川山トンネル近くの
  集落の瀬木(六世帯)住民から、苦情が出始めたという。

  瀬木の住民らによると、リニアがトンネル内に進入するとき、まずズシンと
  重い音がし、数秒後に振動が起きるという。複数の住民は振動について
  「震度2ぐらいの地震のような揺れ」と説明する。

  高川トンネルから 約五十メートル離れた地点に住む主婦(55)は
  「立っているとふらついたり、ガラスがガタガタ揺れ、まるで地震のようだ。
  音も地響きみたいで、我慢できない」と打ち明ける。 』

  引用終わり。

 これは放置できません。 当然、対策が必要だが、どこまでやる必要が
 あるか?

 まずは、環境基準をチェックした。

 環境基本法に新幹線の騒音リミットが規定されているので、リニアもそれに
準拠かと思う。

 <規定>
  I  住居用地域: 70デシベル以下
  II 商工業地域: 75デシベル以下
  
  測定条件: 午前6時から午後12時まで、列車本数20本以上の沿線、
        地上高1.2mで測定

 ただし、この規定は新幹線の「現実」を考え、在来線等に比べ、
 かなり緩和された基準になっている。

 ちなみに在来線(新線)の騒音対策指針は以下の通り。

     60デシベル以下(昼)、50デシベル以下 (夜)
     ただし、住居用地域では一層の低減に努めること。
  
     測定位置: 線路中央からの水平距離12.5m、地上高1.2m



 なお、道路については次のような基準が環境基本法で決まっている。参考まで。

 I  療養施設等がある地域:  50デシベル以下(昼)、40デシベル以下 (夜)
 II  住居用地域     :  55デシベル以下(昼)、45デシベル以下 (夜)
 III 商工業地域     :  60デシベル以下(昼)、50デシベル以下 (夜)

(注)1.昼間:午前6時~午後10時、夜間:午後10時~翌日午前6時
   2.2車線以上の道路については、IIの地域が 5~10bB、緩和される。
   3.2車線以上の道路については、IIIの地域が 5bB、緩和される。



 新幹線の基準をみると、在来線や道路に比べ、ずいぶん甘い。 

 鉄道総研のレポート等を読むと、実際には上限の 75デシベルを
 クリアするのが精一杯のようだ。


  新幹線の場合、その騒音源は主に、車輪とレールの接触による音(転動音)、
 パンタグラフが架線をこする音、そして「空力音」がある。

 「空力音」とは、野球のバットを思いっきり振った時、「ビュン」という
 音がする。 それがまさに「空力音」。

  リニアの場合は、車輪とパンタグラフがないから、騒音源は主に「空力音」
 になる。


 新幹線の場合は、この「空力音」が全体の 約1/3を占めるようだ。
 75デシベルの1/3で 25デシベル分を占めることになる。

 この「空力音」は列車速度の6~8乗で、大きくなるとの事。 すると
 250km/h → 500km/h に速度が上がると 
 速度が2倍なので、2の6乗~8乗 大きくなる計算。

 これを数式に当てはめると、36~48デシベルの増加

 よって、リニアの空力音は 61~73デシベルぐらい と予想される。

 ただし、空力音は車体に凸凹があると大幅に増えるので、設計次第
 という感じ。 飛行機のような、ツルッとした表面が望ましい
 だろう。

 その他の騒音源としては、車内用エアコンのモータ音とか、側壁コイルに
通電した時のコイルの唸り音や側壁の振動音とか、車内用の電源にガス
タービンを使ったり場合はそのタービンの回転音あたりが騒音源になりそう。

 こうしてみると、新幹線なみの75デシベルに押さえるのが、いっぱい
いっぱい
のような気がする。

 先にも書いたが、新幹線はかなり甘い基準を適応しているので、それに
甘えるような事では、21世紀の乗り物としては、不十分だ。

 少なくとも、在来線と同じレベル(最大60デシベル)にすべきだ。

 次に、トンネルに突入した際の音と振動だが、JR東海や鉄道総研は恐らく、
 想定の範囲内だったと思う。

 その理由は、既に新幹線で経験した事と、類似しているから。

 よって、対策方法も有る程度、出来上がっていると推察する。

 要は夜店の射的で使う空気鉄砲の発する音と同じ原理で、列車の
 前面でトンネル内の空気が圧縮され、パルス状の圧縮波がまるで、
「カメハメ波」の様に音速でトンネル出口から、放出される。

 これが、「ドーン」という音と共に家屋の窓などを揺らす。

 この圧縮波の事を、JRでは「トンネル微気圧波」と呼んでいる
 ようだ。

 JR東海は、この「トンネル微気圧波」を減らすため、リニアの
トンネルの開口部を新幹線よりも約30%広げたとのこと。

 恐らく、風洞実験によりトンネル開口部の面積を決めたと思われるが、
トンネル開口部を広げると それだけ工事費がかさむので、多分、
必要最小限の大きさと思われる? 

 本当にそれで大丈夫かどうかは、実際にリニアを走らせてみないと
判らない。

 勿論、先頭車両の形状も大きく影響する。

 兎も角、「トンネル微気圧波」による音と振動は人の感知限界以下に
することが、必須。
 要、注目だね。


   
 さて、最後に残ったのは 車内の振動と騒音。

 まあ、これは「飛行機並」で良いんじゃないでしょうか?

 リニアは地上を飛ぶ飛行機だからね。




<訂正>
  新幹線の「空力音」のところで、1/3と書くべき所を
  30%と書いてしまったので、本文を訂正した。(2カ所)
  失礼しました。 (12/29)

 




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2010.12.22    カテゴリ:  鉄道 

   リニア新幹線と健康被害・・・大丈夫か?

 このテーマ、大きく二つに分かれます。

1,乗客や駅員・乗務員に関して
2,周辺の住人に関して

1のケースに関する心配ごとは、強力な電磁界にさらされて大丈夫かの一点ですね。

 鉄道総研の資料では車内での最高値は 200μT(マイクロ・テスラ)、沿線では地磁気
レベルとの事。 この数字を信じて良いのか? その前に妥当な数値なのか? チェック
してみましょう。

 なお、リニアの施設で使われる電源は 50/60Hzの普通の電源と
 走行用の 0~56Hz (速度により変化する)電源です。 
 どちらの周波数もELFと呼ばれています。

 疑問視されているのは、走行用の電源です。

 
**************************************

高圧送電線が近くにあると、小児白血病になりやすいとの情報が、1970年代から
スウェーデンやアメリカを中心に提起されてきました。

その結果、WHOも調べる事になり、世界中で疫学調査がなされました。 日本でも
1999年~2001年まで 2年半ほど掛け、実施されました。

そしてこのプロジェクトの結果報告書が2007年6月にWHOから発表されました。

(http://www.who.int/peh-emf/publications/elf_ehc/en/index.html 第1章のサマリー
部分のみ 日本語訳有り)

併せて、要点をまとめた文章が 
「ファクトシートNo.322 」
(http://www.who.int/peh-emf/publications/facts/fs322_ELF_fields_jp.pdf)
として、同じく2007年6月に発行されています。  

それによると、低周波電磁界(100kHz以下)に於ける調査結果は以下のようになります。

1)具体的な疾病との結びつきに確かな証拠が有るわけではないが、強い(急激な)
  電磁界曝露は体内や体表部の電流密度に影響するので、曝露限度が必要。

2)慢性的な曝露に対する疾病については、いずれも証拠不十分である。
  (小児白血病も「依然として証拠不十分」と判定されている)


 何となく歯切れの悪い言い回しですが、一番の原因は 動物実験をいくらやっても、
疾病との因果関係が認められなかった為です。 普通の疾病は動物実験で確認されますが、
疫学調査で有意差があると報告した人も含め、なぜ動物実験で出ないか だれも説明が
できないのです。

また、小児白血病を含め、疫学調査の困難さが有りますね。 化学物質やウィルスなどの
影響を取り除き純粋に電磁界曝露だけの影響だと確認することは実生活では困難しょう。

例えば、スウェーデンのカロリンスカ研究所が1997年に発表した有名なレポートも
該当します。

このレポートでは 高圧送電線から300m内に住む人の内、2ミリ・ガウス(=0.2マイクロ・テスラ)以上の磁界の住人に小児白血病が多く、0.9ミリ・ガウス以下の
住人の約2.7倍に達する。

と報告されましたが、その内容をよく見ると、差が有ったのは一戸建ての住人だけで、
集合住宅の住人には差が有りませんでした。2.7倍という数字は実はその平均値です


ここで、誰もが、「何で?」と思うでしょう。 レポート書いた人達も「分からない」
と結んでいます。

このように、日本を含む各国からの小児白血病等の疫学情報が、「証拠不十分」 
とされてしまいました。

日本でも 齋藤友博氏(現・国立成育医療センター理事長特別補佐室・室長、当時は
同センター研究所成育疫学研究室・室長)をチーフに疫学調査が行われ、

「日本に於いては4ミリ・ガウス(0.4マイクロ・テスラ)以上の磁界環境で、
小児白血病患者の発症リスクが2倍~4倍高まる」


との報告が出されました。

 しかし、この報告がWHOの最終報告に反映された形跡は見つかりません・・・ 
もっと、よく見ると有るのかな?

 ただ、これらの疫学研究について、多くの研究者が「遠い目」で見ているのでは
ないでしょうか? 

 その理由は、「静磁界ではあるが、 地磁気の強度は 23~66マイクロ・テスラである。
それに対し、問題視している磁界強度は 地磁気の1/100以下である。 
そんな微小磁場で体内に問題が起きるだろうか? 大体、そんな微小磁界の強度を
住環境に於いて正確に測れるのか?」

という直感的な疑問が涌くからです。

齋藤友博氏も語っていましたが、実際の住環境では遠くの高圧送電線より、
近くの電気カーペットとか、電気毛布
の方が磁界強度が強いのです。
(磁界強度は距離の2乗に反比例します)

 また、高圧送電線の電圧が、より高い方が危険な様に思われがちですが、
磁界強度に関しては関係有りません。

 磁界強度は電線を流れる電流の強さのみに比例します。 むしろ高圧送電線の電圧が
高い方が電流を減らすことに寄与します。

 次に 上記1) の 曝露規制 についてですが、先ほどのファクトシートにあるように
 ICNIRP 1998やIEEE規格C95.6-2002 による規制値が 家庭電気器具を中心に適用され始めました。

 規格値は周波数によって変わるのですが、50Hzでの磁界強度を ICNIRP が
100μT(マイクロ・テスラ)以下、IEEEが904μTと定めています。
  かなり違いますが、WHOはこの両者を認めています。

 何で、このように2つの規制値が存在するかと言うと、ヨーロッパ主導の規格(ICNIRP)と
アメリカ主導の規格(IEEE規格)のせめぎ合いがあるからです。(笑)

 具体的には ヨーロッパにおいて EN62233 という規格で測定法等を定めています。 
 この規格は ICNIRP 1998 に基づくものです。

 日本は完全に埋没↓。 いつもの事ながら、国際規格をリードできませんね・・・

 ともあれ、鉄道総研は車内では 200μT以下 にすると
言っているので、IEEEの規格はクリアですね。

 実際はどうか? これは現物ができるまでわかりません。 
次の試乗会(だいぶ先だが)で、だれか、ガウスメータを持ち込んで実測して
もらえませんか?(笑)


<結論>

 1.車内の磁界強度目標はIEEE国際規格をクリア。 但し、実車での確認が必要。

 2.周辺の磁界強度は地磁気(約45μT)並。 それも列車が通過するホンの
   一瞬のみ。 よって、慢性曝露とは言えず、気にするレベルではない。
 
  
   それでも小児白血病が気になるときは、リスクが明かな化学物質やウィルスに
   まず関心を払い、次に家庭内の電気器具に注意を向けた方が合理的。 齊藤氏の
   研究が正しかったとしても、年間の小児白血病発症者の内、0.5%程度(2~3人)
   を占めるにすぎない。

  ***補足: いまだに低周波磁界で騒いでいる人もいるが、人に不安を与え、
         商売のネタにしようとたくらんでいる可能性あり。 ご注意を!


なお、余談ですが、ヨーロッパがこの種の規格制定に熱心なのは、
これがビジネスになる からです。  

EN 62233 の測定でも ヨーロッパの測定器具を使わねば
スムースに測れません。

ヨーロッパは環境先進国・・・なんてイメージがありますが、
ちゃんと”裏”が有るのです・・・・

長くなったので、振動や騒音については次回にします。

<追記>
チョット専門的だが、こんな論文も有る。↓
http://www.niph.go.jp/kosyu/2007/200756040008.pdf


<訂正> 

 上記で

 『 鉄道総研は車内では 200μT以下 にする』

 と書きましたが、200μT ではなく、2000μT の誤りでした。 大間違い(汗)

 10倍 違います。 鉄道総研の資料の「0」の数を数え間違えました。



 IEEEの基準は家庭内の電気器具を想定したもので、鉄道用ではありません。
 しかし、利用者保護の観点から、この基準を準用する流れになると予想します。

 また、上には書きませんでしたが、実は測定距離が非常に重要です。 なぜなら、
 磁界の強さは 距離の2乗に反比例するからです。

 それで、大抵の家庭用電気器具については 30cm離れた位置での測定になります。

 もし、JRが床に密着する位置で 2mT以内に抑えるならば、床から30cm
 上空では 当然それより小さくなりますが、その位置で IEEE規格以内 
 (50Hzで904μT)  に押さえる事が肝要と思います。

 よって、結論は 「基準値を改め、 更に半減を目指すべき」と訂正します。

 リニアの輸出を目指すなら尚更です。



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2010.12.21    カテゴリ:  鉄道 

   リニア新幹線の経済性

 リニア中央新幹線に対し、投資を回収できるのか?との疑念が
リニア反対派(疑問派)の人々から表明されています。

 この人達はJR東海の株主なのでしょうか? 株主ならば、
心配するのは理解できます。


 でも、リニア反対派(疑問派)の人達から 株価低下に関する
懸念が出ていない 
所をみると、この人達は株主ではなさそうです。

 だったら、投資の回収云々は 「よけいなお世話」 もイイとこ。

 リニア中央新幹線はJALの路線とは違って、政府に押し付けられた
ものではありません。

 投資に関しては、JR東海の経営陣が判断すれば良いのです。

 文句をいいたいのなら、大株主にでも なってからです。

 反対派が色々言うのは、JR東海の経営が心配なのではなく、
反対世論を盛り上げたい からでしょう。

 建設資金は電力会社のように社債の発行だと思います。

 JR東海の2010年3月に発行されたアニュアルレポート
(http://company.jr-central.co.jp/ir/annualreport/_pdf/annualreport2010.pdf)
 によれば、

 2010年3月時に於いて、自己資本 1兆円、
              長期債務 3.1兆円
              昨年度経常利益 1500億円

 です。

 リーマンショックでトヨタさえ赤字なのにしっかり稼いでます。

また、長期債務も10年前に比べ、約35%減っています。
まあ、長期債務の大きな減少は 金利の低下に負う部分が大きいでしょう。

 逆にいうと、金利の低い現在が、金を借りるチャンスでも有ります。

 また、公共事業の縮小で、建設会社は リニアの工事を受注したくて しかたが
ないハズで、安く発注できる環境にあります。

 造るなら 今だ! というJR東海の経営判断は理解できますね。

 それから、一番肝心な事は、東海道新幹線の乗客が1991年以来ほぼ横ばい
だという事。 「失われた20年」をよく表しています。 そして2006年から
やっと上向いてきたのにリーマンショックで元通りになってしまいました。

 そこで、JR東海が目をつけたのが、飛行機の利用客。 東京ー大阪間の移動で
飛行機のシェアは18%だそうです。

  これをそっくり頂いてしまおうとの魂胆ですね。
 その為にはリニアの500km/h が必要です。


 また、一般の会社の経営者からみると、社員が出張する時の移動時間は、全く
無駄なコストになります。 

 それで、一般社員の賃率は 1~3円/秒 ですから、1時間では
 3600円~10800円 のコストと計算されます。

 だから、「のぞみ」との運賃差が 1000~2000円程度なら、会社の
経営者は迷わず「リニアを使え」と出張者に命じるでしょう。 

 タイム イズ マネー なのです。

 
 <結論>
まあ、税金を使わないで工事を行うのだから、景気浮揚にも役立つし、
JR東海の経営判断を尊重すればヨロシ。



<おまけ>

 どこかの「大学教授」が テレビか新聞記事で「新幹線の乗車率が 10%落ちた」とかいうニュースを
 最近耳にしたらしく、「だからリニアはやめた方が良い」 とネットに発信していましたが、この人
 明らかにJR東海のアニュアルレポートすら見ずにしゃべっていますね。 お粗末です。 

 これで、教授が務まるとは、学生もなめられたもの。 支払った授業料に対するリターンを
 しっかり確保するために、学生にはこんな教授をやめさせるぐらいの迫力が欲しいね。

 草食系ばかりで無理か? でも、肉食系もいないと、社会環境が歪むと思います。
 

2010.12.19    カテゴリ:  鉄道 

   リニア新幹線の消費電力 <続き>

  リニア新幹線と今の新幹線の消費電力を論じる時、乗客1人当たりの消費電力で
リニアはダメだと言っている人がいますが、実際の新幹線では ガラガラの列車も有れば、
満員の列車も有り、山形・秋田新幹線の様に定員の少ない列車も有るので、どのように
定義するかで、その値は大きく変わってきます。

 そもそも、輸送機関の有用性を輸送効率のみで判断するなら、殆ど乗客の乗っていない
田舎のバスや電車は最悪です。時には 0人 なんてケースもあります。(この場合 ∞kW/人)

 乗客一人当たりのエコ度を重視するならこの様なバスや電車は即廃止ですね。

 廃止に賛成しますか? 「いや、チョット待てよ」 でしょ。

 つまり、乗客1人当たりの消費電力は、その輸送機関の必要性や

消費エネルギーの絶対量(総量)を論じるときは 適切な指標ではありません
 

 では、どのように考えるか ですが、電力会社から見た消費電力で考えるのが分かりやすい
と思います。 つまり、ガラガラの列車でも、満員の列車でも 1本走らせるのに必要な電力は
余り変わりません。


 ( ちなみに N700系の16輌編成時の重さは約700トン。 乗客定員は1323人だから
   乗客の平均体重を60kgとすると満員の場合 +約80トンになる。 よって、重量は
   10%強 増加する。 しかし、いつもは一人で乗る1200kgの乗用車に 大人のゲスト
   二人を乗せて走っても燃費が殆ど変わらないのと同様に 電車の場合も消費電力がそれほど
   増えるとは思えない。 ただし、加速性能は多少落ちる。)

で、東海道新幹線ですが、東京ー新大阪間を「のぞみ」が 2時間33分で結んでいます。
話を分かりやすくするため、東京駅を10分間隔で「のぞみ」ばかりが発車すると仮定します。

 すると例えば9時ー10時の1時間、遙か上空から観察すると常に16本の列車が
東京ー新大阪間の線路上にいるわけで、電力会社はこの16本に電力を供給し続け
なければなりません。

 「(N700系)のぞみ」の消費電力は1本あたり最大で17MWです。
電力会社としては 17MWx16本=272MW(メガワット)の電力を用意しておかねば
なりません。(下りのみ)

 では、リニアはどうかというと、山梨実験線で北線用に38MVAの電力変換装置設置
(インバータ)を3機(注1) 設置したとのこと。
  (鉄道総研の資料による)
 
 リニアでは1本の列車に対し、一つ(一組)の電力変換装置を割り当て、直流(DC)を
0~56Hzの交流に変換して走行コイル(地上コイル)に供給します。

 列車の速度は電源の周波数を変化させ、調整します。 周波数を上げると列車の速度が
上がります。 56Hzまで上げると 550km/hになります。

 それで、38MVA、 VAという単位
(これを皮相電力と言う)は消費電力にならない
「無効電力」を含んでいるのですが、話を分かりやすくするため、「無効電力」をゼロと仮定し、
消費電力を38M とします。(実際はこれ以下です)

 さて、リニア中央新幹線では東京ー大阪間を67分で結ぶ訳ですから、10分間隔で
運転した場合、東京ー大阪間には7本の列車が常時走っている事になります。(下りのみ)

 ですから、電力会社としては 38MWx7本=266MWの準備が必要です。 

 (山梨実験線は4輌、実用列車は8~16輌なのでもう少し増える可能性は有り)

 先ほど見積もった東海道新幹線の場合、272MWでしたから殆ど同じという結果に
なりました。

 つまり、電力会社から見れば、準備しておかねばならない電力は現在の新幹線も
リニア新幹線もあまり変わらない
という事です。

勿論、現在の新幹線がそのままで、リニア新幹線が追加されたら 必要な電力は、その分
プラスされます。 ・・・当たり前じゃね。

 よって、上下線合計で

「のぞみ」を止めれば、増加分は ”ゼロ”。 

余裕をもって見積もっても 500MW ぐらいの余力を持てば十分

です。

 なお、リニア新幹線の一編成(14輌と仮定)当たりの定員ですが、E6系新幹線の
シートレイアウトと同様と仮定すると約700名になります。
(普通車12輌、グリーン車2輌)

 結論、
反対派の言う、原発2基(2000MW)の新設が必要との主張は かなりオーバー!
典型的な 「反対理由の膨らませ」 ですね。
 

 反対派は電力消費量が増えると騒ぐなら、新しい路線(例えば九州新幹線や東北新幹線
の延長)や列車の増発に対し、いつも騒がねばなりません。(笑)


 (注1)この「3機」の意味ですが、1機で1列車をまかなっているのか
     3相交流の1相を1機がまかなうのか判然としませんが、
     1機で1列車と仮定しました。 (後日確認します。) 
     もし、1相のみをまかなっている場合は、トータルの電力が
     1.5倍になります。(3相交流の場合、3倍ではありません)

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