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2010.12.22    カテゴリ:  鉄道 

   リニア新幹線と健康被害・・・大丈夫か?

 このテーマ、大きく二つに分かれます。

1,乗客や駅員・乗務員に関して
2,周辺の住人に関して

1のケースに関する心配ごとは、強力な電磁界にさらされて大丈夫かの一点ですね。

 鉄道総研の資料では車内での最高値は 200μT(マイクロ・テスラ)、沿線では地磁気
レベルとの事。 この数字を信じて良いのか? その前に妥当な数値なのか? チェック
してみましょう。

 なお、リニアの施設で使われる電源は 50/60Hzの普通の電源と
 走行用の 0~56Hz (速度により変化する)電源です。 
 どちらの周波数もELFと呼ばれています。

 疑問視されているのは、走行用の電源です。

 
**************************************

高圧送電線が近くにあると、小児白血病になりやすいとの情報が、1970年代から
スウェーデンやアメリカを中心に提起されてきました。

その結果、WHOも調べる事になり、世界中で疫学調査がなされました。 日本でも
1999年~2001年まで 2年半ほど掛け、実施されました。

そしてこのプロジェクトの結果報告書が2007年6月にWHOから発表されました。

(http://www.who.int/peh-emf/publications/elf_ehc/en/index.html 第1章のサマリー
部分のみ 日本語訳有り)

併せて、要点をまとめた文章が 
「ファクトシートNo.322 」
(http://www.who.int/peh-emf/publications/facts/fs322_ELF_fields_jp.pdf)
として、同じく2007年6月に発行されています。  

それによると、低周波電磁界(100kHz以下)に於ける調査結果は以下のようになります。

1)具体的な疾病との結びつきに確かな証拠が有るわけではないが、強い(急激な)
  電磁界曝露は体内や体表部の電流密度に影響するので、曝露限度が必要。

2)慢性的な曝露に対する疾病については、いずれも証拠不十分である。
  (小児白血病も「依然として証拠不十分」と判定されている)


 何となく歯切れの悪い言い回しですが、一番の原因は 動物実験をいくらやっても、
疾病との因果関係が認められなかった為です。 普通の疾病は動物実験で確認されますが、
疫学調査で有意差があると報告した人も含め、なぜ動物実験で出ないか だれも説明が
できないのです。

また、小児白血病を含め、疫学調査の困難さが有りますね。 化学物質やウィルスなどの
影響を取り除き純粋に電磁界曝露だけの影響だと確認することは実生活では困難しょう。

例えば、スウェーデンのカロリンスカ研究所が1997年に発表した有名なレポートも
該当します。

このレポートでは 高圧送電線から300m内に住む人の内、2ミリ・ガウス(=0.2マイクロ・テスラ)以上の磁界の住人に小児白血病が多く、0.9ミリ・ガウス以下の
住人の約2.7倍に達する。

と報告されましたが、その内容をよく見ると、差が有ったのは一戸建ての住人だけで、
集合住宅の住人には差が有りませんでした。2.7倍という数字は実はその平均値です


ここで、誰もが、「何で?」と思うでしょう。 レポート書いた人達も「分からない」
と結んでいます。

このように、日本を含む各国からの小児白血病等の疫学情報が、「証拠不十分」 
とされてしまいました。

日本でも 齋藤友博氏(現・国立成育医療センター理事長特別補佐室・室長、当時は
同センター研究所成育疫学研究室・室長)をチーフに疫学調査が行われ、

「日本に於いては4ミリ・ガウス(0.4マイクロ・テスラ)以上の磁界環境で、
小児白血病患者の発症リスクが2倍~4倍高まる」


との報告が出されました。

 しかし、この報告がWHOの最終報告に反映された形跡は見つかりません・・・ 
もっと、よく見ると有るのかな?

 ただ、これらの疫学研究について、多くの研究者が「遠い目」で見ているのでは
ないでしょうか? 

 その理由は、「静磁界ではあるが、 地磁気の強度は 23~66マイクロ・テスラである。
それに対し、問題視している磁界強度は 地磁気の1/100以下である。 
そんな微小磁場で体内に問題が起きるだろうか? 大体、そんな微小磁界の強度を
住環境に於いて正確に測れるのか?」

という直感的な疑問が涌くからです。

齋藤友博氏も語っていましたが、実際の住環境では遠くの高圧送電線より、
近くの電気カーペットとか、電気毛布
の方が磁界強度が強いのです。
(磁界強度は距離の2乗に反比例します)

 また、高圧送電線の電圧が、より高い方が危険な様に思われがちですが、
磁界強度に関しては関係有りません。

 磁界強度は電線を流れる電流の強さのみに比例します。 むしろ高圧送電線の電圧が
高い方が電流を減らすことに寄与します。

 次に 上記1) の 曝露規制 についてですが、先ほどのファクトシートにあるように
 ICNIRP 1998やIEEE規格C95.6-2002 による規制値が 家庭電気器具を中心に適用され始めました。

 規格値は周波数によって変わるのですが、50Hzでの磁界強度を ICNIRP が
100μT(マイクロ・テスラ)以下、IEEEが904μTと定めています。
  かなり違いますが、WHOはこの両者を認めています。

 何で、このように2つの規制値が存在するかと言うと、ヨーロッパ主導の規格(ICNIRP)と
アメリカ主導の規格(IEEE規格)のせめぎ合いがあるからです。(笑)

 具体的には ヨーロッパにおいて EN62233 という規格で測定法等を定めています。 
 この規格は ICNIRP 1998 に基づくものです。

 日本は完全に埋没↓。 いつもの事ながら、国際規格をリードできませんね・・・

 ともあれ、鉄道総研は車内では 200μT以下 にすると
言っているので、IEEEの規格はクリアですね。

 実際はどうか? これは現物ができるまでわかりません。 
次の試乗会(だいぶ先だが)で、だれか、ガウスメータを持ち込んで実測して
もらえませんか?(笑)


<結論>

 1.車内の磁界強度目標はIEEE国際規格をクリア。 但し、実車での確認が必要。

 2.周辺の磁界強度は地磁気(約45μT)並。 それも列車が通過するホンの
   一瞬のみ。 よって、慢性曝露とは言えず、気にするレベルではない。
 
  
   それでも小児白血病が気になるときは、リスクが明かな化学物質やウィルスに
   まず関心を払い、次に家庭内の電気器具に注意を向けた方が合理的。 齊藤氏の
   研究が正しかったとしても、年間の小児白血病発症者の内、0.5%程度(2~3人)
   を占めるにすぎない。

  ***補足: いまだに低周波磁界で騒いでいる人もいるが、人に不安を与え、
         商売のネタにしようとたくらんでいる可能性あり。 ご注意を!


なお、余談ですが、ヨーロッパがこの種の規格制定に熱心なのは、
これがビジネスになる からです。  

EN 62233 の測定でも ヨーロッパの測定器具を使わねば
スムースに測れません。

ヨーロッパは環境先進国・・・なんてイメージがありますが、
ちゃんと”裏”が有るのです・・・・

長くなったので、振動や騒音については次回にします。

<追記>
チョット専門的だが、こんな論文も有る。↓
http://www.niph.go.jp/kosyu/2007/200756040008.pdf


<訂正> 

 上記で

 『 鉄道総研は車内では 200μT以下 にする』

 と書きましたが、200μT ではなく、2000μT の誤りでした。 大間違い(汗)

 10倍 違います。 鉄道総研の資料の「0」の数を数え間違えました。



 IEEEの基準は家庭内の電気器具を想定したもので、鉄道用ではありません。
 しかし、利用者保護の観点から、この基準を準用する流れになると予想します。

 また、上には書きませんでしたが、実は測定距離が非常に重要です。 なぜなら、
 磁界の強さは 距離の2乗に反比例するからです。

 それで、大抵の家庭用電気器具については 30cm離れた位置での測定になります。

 もし、JRが床に密着する位置で 2mT以内に抑えるならば、床から30cm
 上空では 当然それより小さくなりますが、その位置で IEEE規格以内 
 (50Hzで904μT)  に押さえる事が肝要と思います。

 よって、結論は 「基準値を改め、 更に半減を目指すべき」と訂正します。

 リニアの輸出を目指すなら尚更です。



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